私は人生で最も美しい朝に目を覚ましました。ずっと待ち望んでいた朝。穏やかさと安全に満ちた朝。やっとコーヒーとチョコレートを味わいながら、恐怖や不安なく自由に息を吸える朝でした。長い避難と破壊の時期を経て、ようやく自分の家にいるという現実を、私は全く信じられませんでした。何か月ぶりかで、私は本当の安らぎを感じました。これまで経験したことのない感覚でした。ストーブに火をつけ、コーヒーを淹れ、窓際に座って街や、地区の向こうに見える廃墟となった家々を眺めていました。破壊の中にあっても、私の心は希望で満たされていたのです。
家々は壊れ、壁は崩れ落ちていましたが、私の胸の中にある愛しい思いと期待は、揺らぐことなく残っていました。すべては私たちの手で再建できること、互いへの思いやりと、私たちのコミュニティや祖国への献身があれば、再び築き上げられることが出来ると信じています。
その朝、私は生命が本来の流れを取り戻すのを感じた。感謝と畏敬が混ざった不思議な感覚、長い間、味わったことのない、穏やかで安全な気持ちに包まれていました。もはや、翌日に目にするかもしれない困難に怯えて目が覚めることはありませんでした。失ったものすべてを取り戻せるという約束を朝が運んで来ました。私たちには破壊されたものを再び築く力があることがわかりました。
目を外に向けると、雲の隙間から差し込む太陽の光が、瓦礫に輝きを映していました。湿った土の匂いが、新しい生命の息吹を運んで来ました。家の隅々、半壊した部分にさえ、力と希望が宿っているように感じました。破壊を新たな始まりに変えることができるのです。
その朝、私のコーヒーはただの飲み物ではありませんでした。小さな幸福を得るための儀式の様なものでした。自由と平和の味を取り戻す私だけの時間であり、心がもはや恐怖に縛られない時間でした。耐え抜いたすべての苦しい瞬間、すべての恐れ、すべての涙、寒さと不安の中で過ごした夜のことを思い出しながら私は微笑んだのです。
そして今、私は家に戻り、人生が再び始まったと感じ、どんなに過酷な日々であっても、再建し、再び笑うことができることを実感しました。それは、希望が家の隅々まで染み渡った朝でした。未来がより明るくなると信じる気持ちを取り戻した朝でもあり、この地区の再建に向けた一歩一歩が、過去のどんな苦しみよりも大きな喜びを運んでくれる朝でもありました。
