2025年9月10日(水)

今朝、私は自分が自分でないような気持ちで目を覚ましました。
心のどこかで、何かが静かに壊れてしまったような感覚がありました。
胸の奥に、名前も理由もわからない重たいものがのしかかっていました。
心の一部はまだ生きたいと願い、かすかな希望の糸を握りしめようとしていましたが、もう一方の心は何もかもにただ疲れ果てていました。静けさだけを、動かない時間だけを求めていました。話したくもなく、動きたくもなく、風がささやくのを忘れるような静かな場所に消えてしまいたかったのです。

私はテントの外に出ました。
布でできたこの小さな空間は、いまや牢獄のように感じられます。破れた壁は毎日、私たちには本当の「家」も、安全も、安定もないことを思い知らせます。
空気は熱と砂ぼこりで重く、息をすることさえ苦しみでした。心の中には、果てしない空白が広がっていました―疲労、不安、そして訪れないかもしれない明日を待ち続ける痛みで満たされた空白が。だから、私は海へ行くことにしました。そこだけが、今も自由に息ができる場所なのです。

重たい心を引きずるようにして、私は道を歩きました。
まるで心のほうが体よりも重くなってしまったかのようでした。とにかく早く海に着きたかったのです。本当の空気を吸いたかったからです。やっとの思いで海にたどり着くと、私は砂の上に座り、指先でその砂をなぞりました。まるでそれが生きていて、私の痛みを理解してくれるもののように感じながら。私は地平線を見つめました。波が静かに近づき、まるで慰めるようにささやいているようでした。「元気を出して、あなたには、まだ命があり、生きていくのよ。」と。

この海は、ただの水と塩ではありません。
それは、私たちに残された最後の「自由な場所」であり、まだ奪われていない最後の一片の大地です。ここは、悲しみから身を隠す場所―誰にも聞かれずに涙を流せる場所なのです。寄せては返す波の一つひとつに、私は声が聞こえます。「もう一度立ち上がりなさい。たとえ未来が見えなくても、たとえ夢が奪われても、あなたにはまだ耐え抜く力があるのです」と。

波の上にきらめく陽の光を見つめました。
それは遠く、手の届かないものなのに、それでもなぜか美しく、心に温もりを与えてくれました。届かなくても、人の心を照らすものがある―そう思いました。私は長いあいだ、海と静かな対話を交わすように座っていました。そして、そっとささやきました。「私は疲れました 私の中は、何もありません 自分の人生がどこへ向かっているのか、もう分かりません」 すると海は、それにやわらかな波で答えてくれました。「ちょっと待ちなさい 波だって、痛みの中から生まれるのですよ」と。

その夕方、私は海を心の中に抱いたままテントへ戻りました。この疲れの底にも、いつかまた立ち上がるための小さな力が、確かに息づいているのだと海は静かに私に語りかけていました。


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