2025年7月3日(木)

この過酷な一日、容赦なく照りつける暑さの中で母を手伝い、食事の準備して、疲れ果てた一日が始まりました。しかし、ある小さな出来事によって、私の心はふっと軽くなりました。仕事を終えてテントに戻ると、疲れ切っていた私の目に入ったものが、すべての苦しみを忘れさせてくれるほど私の心を和ませてくれたのです。

テントの真ん中で、幼い妹が座っているのが見えました。小さなビーズに向かって身をかがめ、ブレスレットや色とりどりの形を作っていたのです。この暗い世の中で、本当に明るくて小さな光のような光景でした。

私は驚きそばに座って、「これ、どこで覚えたの?」と聞いてみました。

すると妹は恥ずかしそうに微笑んで「学校で覚えたの…でも、その学校には行けなくなったの。」と答えました。

胸が締め付けられる思いで聞きました。私は妹に「学校、恋しい?」と尋ねました。

妹はうつむきながら、そっと「うん…学校に戻って勉強したい。今はここにいつもじっと座っているから、大切な勉強を忘れてしまいそうなの。文字も、算数も…全部」。

妹の言葉は、痛ましい現実を突きつけるものでした。今のパレスチナの子どもたちは、ほぼ2年もの間、教育を受けることができません。学校には通えず、学ぶこともなく、かつて知っていたことさえ忘れてしまう子どもがいるのです。今では、一日の予定がスープ配給の列に並ぶことや、水を汲む順番を待つことでほとんど埋まってしまいます。これは、いったいどんな未来をその子どもたちに与えようとしているのでしょうか。

私は妹の小さな手を見つめました。一つ一つのビーズを丁寧に拾い、何もないところから美しいものを作り出していました。まるで、色と光で悲しみに抗っているかのようでした。私は彼女のことを心の底から誇りに思います。無邪気に創造している中で、「私たちには生きる権利がある…学ぶ権利がある…そしてどんなことがあっても、自分の夢を築く権利がある。」と静かに叫ぶ声を感じました。

私が気づいたことは、ブレスレット作りは、ただの遊びではなく、妹にとっては、暗い現実や失われた子どもの時代からの逃げ場だったのです。彼女の目には、

「どんなに未来を奪おうとする者がいても、私たちの中には、必ず抗う何かがある。」とはっきりとしたメッセージが映っていました。

その光景で、確信したことは、生まれながらにして私たちは、創造力を持っていることです。そして、戦闘中、全てを失ってもテントの生活のなかで、決して消えることのない命の火花が、必ず存在していることを改めて確信しました。


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