テントの中の空気はとても息苦しく、まるで太陽そのものが、私たちと一緒に夜を過ごしたかのようでした。耐えられないほどの暑さで、私は早く目を覚ましました。私は薄いマットの上に座り、静かにまわりを見渡しました。この不思議な場所、避難所と呼ばれる場所で「ここでまた一日が始まった」と、自分に言い聞かせようとしました。私は立ち上がてってたった一メートル四方ほどの小さなスペースの自分の場所を片付けました。それでも、ここが今の私の世界のすべてです。ここで眠り、ここで勉強をし、ここで仕事をしようとしています。古びた布切れが、一応「自分の場所」という気持ちを与えてくれますが、本当の意味でのプライバシーは、どこにもありません。
テントの中は暗く、息がつまるようでした。空気はよどんで動かず、外から照りつける太陽が薄い布の壁を焼きつけ、中をまるで炎の中にいるように熱していました。私の古くなったマットと平らな枕を見つめ、眠りと戦っている自分に気づきました。硬い地面のせいだけではありません。本来なら二人か三人で使う場所に、六人が押し込まれているせいで息をする余裕も、休む余裕も、小さな境界さえ持てない暮らしがここにはあります。
女性にとって、この場所で眠ることはさらに大きな苦しみです。私たちは人目にさらされた空間にいて、眠っている間でさえ、身じろぎひとつにも気をつけなければなりません。
寝返りを打つことも、体の一部が見えてしまうことでそれが恐れにつながるからです。服を着替えること、安心して横になること、誰にとっても当たり前のことが、ここでは違います。夜になると、テントの中は重たい沈黙に包まれます。私たちはそれぞれ、誰にも見られない、ほんの少しの「自分の居場所」を探そうとします。けれども、その場所はどこにもありません。
私は「安らぎ」という言葉の意味を、もう失ってしまったように感じます。閉める扉もなく、守る秘密もなく、「ここは自分の場所だ」と思える瞬間さえありません。テントは家ではありません。それは、ただ空の下で薄い布を隔てているだけのものなのです。
そこに居場所としての安心感や、「生活」しているという感覚さえもありません。
こんな時、清潔なベッドや、自分だけの部屋、外の風を感じられる窓、そんな当たり前だったものが、どうしてこんなにも遠い夢になってしまったのだろうと私は考えてしまいました。新しい一日が始まるたびに、この生きづらさを強く感じるのです。それは暑さだけのせいではありません。人間らしく生きることを奪われている、この現実に私たちは、押しつぶされているのです。
