その夜は今までの人生で最悪となりました。時間そのものが止まってしまったかのような、苦しみと破壊に満ちた暗く恐ろしい夜でした。長く疲れ果てた一日の後、私はこの小さなテントで深い眠りに落ちていました。必死に生き延びようとする人々であふれているこの難民キャンプのテントで休んでいたのです。
すると突然、夜の静けさが耳をつんざくような爆発音で破られ、続けて地の底から響くような激しい揺れが私の心の奥を突き刺さしました。終わりのない砲撃と爆音が響き渡り、大地を揺さぶり人々の心を恐怖で満たしました。私は目を開けようと必死となり、何が起きているのか理解しようとしましたが、それはまるで恐ろしい悪夢の中にいるようでした。
テントの外にでると息苦しいほどの煙と燃えた匂いが空気を追っていました。周りの物は信じられない速さで崩れていいき、炎がテントや建物を次々に飲み込み、全てを無慈悲に焼き尽くしていました。
目の前に広がったのは忘れられない光景でした。見知らぬ人たちの身体の一部が散らばり、その中には子どもがいました。黒焦げの板があちこちに横たわっていました。
女性と男性の叫び声が空気を切り裂き、泣き声や必死の助けを求める声と混ざり合っていました。人々は恐怖に震えた声で家族の名前を呼び、互いにしがみ付きながら最後の瞬間を過ごしているようでした。その間、炎は彼らを容赦なく追い詰めていたのです。
子どもたちは恐怖で泣き叫びながら炎の間を逃げ、必死に身を隠していました。母親たちは叫びながら子どもを探し、このまるで地獄の中をかけ回っているようでした。
時間は止まったかのようでした。私は逃げられない悪夢の中を歩いているように感じました。一つの瞬間が終わるたびにまた新たな地獄が現れ、爆発の度に無力感が深まり叫び声の度に私の心が揺さぶられます。私は目撃者としてだけではなく、この悪夢の中で、恐怖につぶされそうになり、何もできずに後ずさりすることしかできないのです。心は苦しみで痛めつけられました。
血の匂いと炎のにおいが一緒に混ざりあった空気で私の周りは一杯になり、私の力を最後の一滴まで奪おうとしているようでした。その瞬間、私の夢と希望、そしてこうして生きているという感覚さえも全て消えていきました。
永遠に続くかと思われたその夜は、私の記憶に深く残り、決して消えることはないでしょう。
無実の命が奪われ、果てしない涙が流れ、安らぎのない叫びが響いたその夜に、本当の「痛み」の意味を知りました。それは命が目の前で無慈悲に奪われるのを見たからです。
