2025年6月20日-2(金)

今日の正午、太陽が最も高く登った時の焦げ付くような陽差しは、疲れている私の身体の隅々まで容赦なく攻撃してきます。この暑さは、耐えがたく、息をするたびに重苦しい空気が顔に当たるのです。絶望感と無力感、そして疲労感が全身に広がります。母の手伝いでテントを整理するときは、汗が額に止めどなく流れ、衣服や髪がびっしょり濡れてしまいます。テント自体が巨大なオーブンのようなので、灼熱の太陽の熱も布のテントが吸収し、その熱を呼吸する度に感じるのです。

この暑さだけが最大の敵ではありません。私の周りのすべてのことが敵なのです。まずはこの狭い空間に物が散らかり、臭いや騒音などがあります。無力感を感じる一方で、心身共にエネルギーを取り戻して、この灼熱の暑さやテントでの厳しい生活だけではなく、世界全体に向けてもう一度立ち上がりたいと思います。

私は、勉強のために本に向かって座るのですが、周りから大きな声で「今は勉強なんてできないでしょ」という言葉が聞こえるのです。この様な環境下で、自分がもっと強くならなくてはならないと思います。私には諦めるという選択肢はないのです。

灼熱の暑さに伴って疲労困憊のこの混乱の中、弟が私のテントに入ってきました。彼は手に何かを持っていたのです。しかもそれは、長い間目にしていなかった一杯の冷たい水でした。ただの水ではないのです。冷たい水なのです。コップにきらりと光る水滴がまるで真珠のように見えました。

私は、直ぐに手を伸ばしました。まるで何日も食べていなかった人が食べ物をつかむように必死に手を伸ばしました。両手でコップを強く握りしめ、こぼさないように大切に持ちました。一口飲んで、また一口飲みました。冷たい水が喉をつたい、生き返った様に感じ、その一杯の冷たい水が、世界全体の幸を与えられたかのように感じました。

今現在、ただの一杯の冷たい水を夢見て、また心からそれを願うような時代に生きているなんて誰が信じるでしょうか。このコップの水はただの飲み物ではないのです。それは、暑さや渇き、そして全ての苦しみに打ち勝つような小さな勝利を感じるものでした。


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