
この最悪な一日の夕暮れから、私たちは想像を絶するほど恐ろしい夜を経験しました——決して忘れることのできない夜です。テントの外で地面に座り、長く過酷な一日を終え、少しでも休もうとしていたそのとき、突然……すべてが変わったのです。
空が不気味な深紅に染まり始めました。上空から奇妙な音が響いてきました。イスラエルの軍用機が、私たちの近くの地域に照明弾を投下し始めたのです。夜はもはや暗くはなく、空は燃え上がるようなまばゆい光に包まれ、あらゆるものを照らし出しました。影という最後の隠れ場所さえも、容赦なく奪い去っていきました。
戦車の音が次第に大きくなり、ロケットの轟音が空に響き、恐怖が骨の髄まで染みわたりました。私たちはどこへ行けばいいのか、何をすればいいのか、まったくわかりませんでした。唯一の避難所であるテントは、銃弾や炎から私たちを守ることなどできません。
その瞬間、今夜が、私たちの人生最後の夜になるかもしれないと、私は心の底から思いました。
パニックの声があちこちに響き渡りました。人々は叫び、走って、必死に逃げようとしていました。恐怖でその場に崩れ落ち、動けなくなる人もいました。すると突然、さらに多くの照明弾が上空から投下されたのでした。空中で燃えながら落下し、地面に激しく衝突しました。それらは単なる「光」ではありませんでした……それは「死」そのものでした。もし1発でもテントや家に落ちれば、一瞬であたり一面が炎に包まれてしまうのです。
全ての兵器が、恐怖を伴って私たちに向けられています。ロケット、爆弾、銃弾、全てが私たちの身体だけではなく、心までも打ち砕くために作られた道具なのです。
あの夜は、彼らの武器による攻撃だけでは終わりませんでした。私たちの声さえも奪いました。インターネットやあらゆる通信手段を遮断したのです。まるで世界の目を覆い何が起きていることを隠すかの様にしたのです。沈黙の中で静かに恐怖の作戦が着々と進行していったのです。
もっと恐ろしいことが次に起きました。
隣にある墓地さえも攻撃したのです。
墓地を戦車と武器が冒涜しました。
死者の眠る墓地を掘り起こしたのです。
私たちはただ立ち尽くし、問いかけるしかありませんでした──いったい、なぜこんなことを?もはや抵抗することすらできない死者の安らぎを乱すとは、どれほどの残酷さがあれば人をそこまで駆り立てるというのでしょうか。
恐怖と炎に包まれた夜となりました。
破片がとうとう私たちのテントを直撃して薄い布地に穴が開いてしまいました。ここでも、こうして避難先でも私たちの安全は守られないことを改めて実感しました。
私はテントの中で横になり、息をすることさえも怖く、動くのも怖く、流れ弾に遭わないようにただただ祈るばかりでした。
私たちは、こうして強制避難させられてすべてを失って、死と隣り合わせにいるのです。
でも、私たちは死にませんでした。
私たちは死を目の当たりにしました。しかし今、呼吸しています。そして声も聞こえます。
どうにか生き延びたことを実感しました。
その夜に、人は、家もプライバシーも安全も、一瞬にして全て奪われてしまうということがあると良くわかりました。だから、心の奥底から生き続けたいという強い思いがあります。
それは信じる力です。かすかにこの夢に繋がる糸となるのです。